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【着るSDGs】おしゃれで地球にも優しい!サステナブルファッション

公開日: 更新日:2024.03.18
サステナブルファション

サステナブルファッション」って聞いたことはありますか?

近年、ファッション業界と環境問題の関係性が注目されています。大量生産・大量廃棄が当たり前となった業界の裏側には、環境への負荷や労働問題など、多くの課題が存在します。

でも大丈夫!おしゃれを諦める必要はありません。サステナブルファッションは、環境にも人にも優しい、新しいファッションの形なんです。

サステナブルファッションのメリット・デメリット。さらに、日常生活に取り入れられるエシカル消費や、最新動向まで詳しくご紹介します。

おしゃれを楽しみながら、地球を守る。サステナブルファッションで、未来を変える一歩を踏み出してみませんか?


ファッション業界と環境問題

ファストファッション

大量生産・大量廃棄の現状

現代のファッション業界は、速いペースで衣服が生産され、消費されています。この「ファストファッション」と呼ばれる現象は、手頃な価格で流行のアイテムを手に入れることができる一方で、大量の衣服が短期間で廃棄されるという問題を引き起こしています。
例えば、世界では毎年約100億着の衣類が生産されています。しかし、そのうち約40%が廃棄されているという衝撃的な事実があります。これは、年間約4000万トンもの衣服がゴミとして捨てられていることを意味します。

衣服の大量生産・大量廃棄は、資源の枯渇や環境汚染を引き起こします。綿花栽培には大量の水が必要であり、化学肥料や農薬の使用も問題となっています。また、衣服の染色や加工には有害な化学物質が使われることがあり、これが水質汚染や大気汚染の原因となります。

このような大量生産・大量廃棄のサイクルは、資源の無駄遣いだけでなく、廃棄物の増加による環境汚染も引き起こしており、持続可能な社会に向けた大きな障壁となっています。
さらに、大量生産された衣服は安価で販売されるため、消費者は簡単に購入することができます。しかし、その結果、衣服の価値が軽視され、使い捨ての文化が根付いてしまっているのです。


繊維製品の環境負荷

繊維製品の生産から消費、そして廃棄に至るまでのプロセスは、環境に大きな負荷をかけています

衣服を作るために必要な水の量は膨大で、例えば一枚のコットンTシャツを作るのに約2,700リットルの水が必要とされています。これは、人が1日あたり飲む水の約20倍に相当します。
また、衣服の生産過程では、温室効果ガスも大量に排出されます。国連環境計画によると、ファッション業界は世界の温室効果ガス排出量の約10%を占めると推定されています。これは、国際航空業界と海運業界を合わせた排出量よりも多いのです。
さらに、染色プロセスで使用される化学物質が環境に放出されることも、深刻な問題の一つです。

このように、繊維製品は環境に大きな負荷を与えているのです。
これらの環境負荷を軽減するためには、サステナブルな素材の使用や、エネルギー効率の良い製造プロセスの開発が急務となっています。


労働問題への関心

ファッション産業の背後には、過酷な労働環境で働く労働者たちの問題があります。

衣服の生産は、主に発展途上国で行われており、そこで働く多くの労働者は、低賃金で長時間労働を強いられている人たちが多くいます。その労働条件は国際的な基準に達していない場合が少なくありません。低賃金、長時間労働、安全衛生上の問題などが指摘されており、人権侵害の問題も深刻です。

2013年にバングラデシュで起きたラナプラザビル崩壊事故では、安全基準が無視された結果、多くの縫製工場労働者が命を落としました。
この悲劇は、ファッション業界が直面する労働問題に対する国際社会の注目を集め、エシカルファッションやフェアトレードといった動きに火をつけるきっかけとなりました。

近年は、こうした問題を解決するために、サステナブルな素材や生産方法を取り入れるブランドが増えてきています。また、消費者も環境や労働問題に配慮した衣服を選ぶようになってきています。

私たち一人ひとりが、衣服の消費量を減らし、製品を選ぶ際に、誰がどのような環境でそれを作っているのかを考え、長く愛用できる衣服を選ぶことで、ファッション業界の環境問題の解決に貢献することができるのです。


サステナブルファッションのメリット・デメリット

オーガニックコットン

エシカル消費によるメリット

エシカル消費は、環境に配慮し、公正な労働条件で生産された商品を選ぶ行動です。サステナブルファッションを選ぶことは、このエシカル消費の一形態であり、地球環境の保護に貢献します。

【環境へのメリット】
〇資源の枯渇や環境汚染を防ぎ、持続可能な社会を実現
〇温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化対策に貢献
〇水資源の使用量を削減し、水不足問題の解決に貢献

【社会へのメリット】
〇劣悪な労働環境を改善し、労働者の生活向上に貢献
〇児童労働や強制労働をなくし、人権を尊重
〇地域経済の活性化に貢献

【消費者へのメリット】
〇高品質で長く愛用できる衣服を手に入れられる
〇環境や社会問題に貢献しているという満足感を得られる
〇自分の価値観に合ったファッションを楽しめる

例えば、オーガニックコットンの使用は、一般のコットン生産に比べて水の使用量を大幅に減らし、農薬の使用も削減します。
また、公正な労働条件で生産された衣服を購入することは、労働者の生活を改善し、経済的公正を促進します。これらの行動は、SDGsの目標、特に貧困の撲滅や環境保全に直接貢献することになります。


サステナブルファッションのデメリット

サステナブルファッションは多くのメリットがありますが、高いコストと限られた選択肢がデメリットとして挙げられます。

【コスト面】
〇サステナブルな素材や生産方法は、従来のものよりもコストがかかる
〇サステナブルな衣服は、従来の衣服よりも価格が高くなる傾向がある

【利便性】
〇サステナブルな衣服を販売している店舗が少ない
〇サステナブルな衣服の選択肢が少ない

エコフレンドリーな素材や公正な労働条件で生産された製品は、そのコストを反映して価格が高くなる傾向にあります。
また、サステナブルなブランドやアイテムは、一般のファッションアイテムに比べて市場に出回る量が少なく、消費者が求めるスタイルやサイズが見つかりにくいこともあります。

これらの要因は、サステナブルファッションへの移行を躊躇させる原因となることがあります。


消費者意識の変化

近年、消費者は環境や社会問題に関心が高まっており、サステナブルな衣服を購入する人が増えています。
また、サステナブルな衣服を販売する店舗やブランドも増えており、消費者の選択肢も広がってきています。

サステナブルファッションに対する需要の増加は、業界内での競争を促し、結果として価格の低下や選択肢の拡大に繋がっています。サステナブルな衣服の価格が下がれば、さらに多くの人が購入するようになるでしょう。

調査によると、消費者の過半数がサステナブルな製品に対してプレミアムを支払う意向を示しており、これが企業にとって重要な動機となっています。また、技術の進歩は生産コストの削減に貢献し、サステナブルファッションをより手頃な価格で提供することを可能にしています。

消費者の選択肢が増えることで、より多くの人々が環境に優しいライフスタイルを受け入れることが期待されます。


サステナブルファッションが注目される理由

SDGS12

SDGsとの関連性

近年、サステナブルファッションは、環境問題や社会問題への意識の高まりから、大きな注目を集めています。

サステナブルファッションが注目される大きな理由の一つは、SDGs(持続可能な開発目標)との深い関連性にあります。SDGsは、貧困、不平等、気候変動などのグローバルな課題に対処するために国際連合が掲げた目標で、全17項目から成り立っています。

サステナブルファッションは、特に「責任ある消費と生産(目標12)」や「気候行動(目標13)」に直結しており、エコフレンドリーな素材の選択やエシカルな生産プロセスを通じて、これらの目標達成に貢献しています。
消費者がサステナブルなファッションアイテムを選ぶことは、地球環境の保護や労働者の権利の尊重といった大きな目標に対する一歩となるのです。


エシカルな消費への関心

近年、消費者は環境や社会問題に関心が高まっており、エシカルな消費を意識する人が増えています。これは、製品の背後にある生産過程やその社会的、環境的影響について、より意識的な選択をする動きです。
エシカルな消費とは、環境や社会に配慮した商品やサービスを選択することを意味し、サステナブルファッションは、まさにエシカルな消費の代表的な例と言えます。

【エシカルな消費への関心が高まっている背景】
環境問題への意識の高まり:地球温暖化や海洋汚染などの環境問題が深刻化し、環境問題解決への責任感が高まっている
社会問題への意識の高まり:人権問題や労働問題などの社会問題が注目され、社会貢献への意識が高まっている
情報化社会の進展:インターネットやSNSを通じて、環境問題や社会問題に関する情報が容易に得られるようになった
消費者の価値観の変化:物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさや社会貢献を重視する消費者が増えている

ファッション業界では、過剰生産と消費が環境破壊の一因となっていることが明らかになり、それに対する批判が高まっています。
エシカル消費によって、消費者は環境保護、動物福祉、労働者の公正な扱いなど、自らが大切にする価値を反映させることができます。このような消費者の意識の変化は、企業に対してもポジティブな影響を与え、よりサステナブルな生産方法への移行を促しています。

サステナブルファッションは、環境や社会に配慮した商品であるだけでなく、高品質で長く愛用できる衣服であることが多く、エシカルな消費を意識する消費者のニーズに合致しています。


持続可能な社会への貢献

サステナブルファッションへの注目が高まる背景には、持続可能な社会への貢献への願いがあります。

【環境負荷の低減】
従来のファッションは、大量生産・大量廃棄のサイクルによって、環境に大きな負荷を与えてきました。サステナブルファッションは、資源の有効活用、環境負荷の低減、リサイクルなどを通じて、環境問題解決に貢献することができます。

【労働環境の改善】
ファッション業界では、劣悪な労働環境で働かされている人たちが多くいます。サステナブルファッションは、労働環境の改善、児童労働や強制労働の根絶、フェアトレードなどを通じて、人権問題解決に貢献することができます。

環境に優しい素材の選択、エネルギー消費の削減、水質汚染の防止など、サステナブルファッションは多方面にわたる環境問題に対応しています。また、公正な労働条件の下で生産されることにより、社会的責任を果たすことも重視されています。

これらの取り組みは、持続可能な社会を実現するための重要なステップであり、個々人のライフスタイルの中で実践することによって、より大きな社会変革を促す力を持っています。
サステナブルファッションに対する支持は、地球と人類の未来に対する投資とも言えるでしょう。


サステナブルファッション入門

環境や社会に配慮したファッション-天然素材

サステナブルファッションとは? 意味と定義

近年、環境問題や社会問題への意識の高まりから、サステナブルファッションが注目されています。しかし、「サステナブルファッション」という言葉は耳にしても、具体的にどのようなものなのか、どのように日常生活に取り入れられるのかわからない人も多いのではないでしょうか。

サステナブルファッションとは、のことを指します。

【サステナブルファッション】
環境負荷の低減:資源の有効活用、環境負荷の低減、リサイクルなど
労働環境の改善:劣悪な労働環境の改善、児童労働や強制労働の根絶、フェアトレードなど
動物福祉への配慮:動物実験を行わない、リアルファー不使用など
◎長く愛用できる衣服:高品質な素材の使用、修理しやすいデザインなど

具体的には、環境に優しい素材の使用、エネルギー効率の良い生産プロセス、労働者の権利を尊重する公正な労働条件など、持続可能な方法で衣服が製造されることを意味します。
このアプローチは、ファッション産業が直面する環境破壊や社会的不平等といった課題に対処することを目指しています。


素材選びとブランドの取り組み

サステナブルファッションを選ぶ際、重要なのが素材選びとブランドの取り組みです。

素材選び

サステナブルな素材には、以下のようなものがあります。

オーガニックコットン:農薬や化学肥料の使用を控えた栽培方法で育てられたコットン
リサイクルポリエステル:ペットボトルなどをリサイクルして作られたポリエステル
リサイクルウール:古くなったウール製品をリサイクルして作られたウール
テンセル:ユーカリの木を原料としたリヨセル繊維
リネン:亜麻を原料とした天然繊維

これらの素材は、従来の素材に比べて水や化学薬品の使用量を大幅に削減し、持続可能な生産に寄与します。


ブランドの取り組み

サステナブルな取り組みを行っているブランドは、年々増加しています。

環境負荷低減に積極的なブランド:環境に配慮した素材や生産方法を採用しているブランド
労働環境改善に積極的なブランド:労働者の安全衛生や賃金に配慮しているブランド
動物福祉に配慮したブランド:動物実験を行わない、リアルファー不使用など動物福祉に配慮しているブランド<
リサイクルやリユースを推進しているブランド:古くなった衣服を回収し、リサイクルやリユースする取り組みを行っているブランド

多くのブランドは、透明性のある生産プロセスや公正な労働条件の確保に努めています。
消費者としてこれらのブランドを支持することは、サステナブルファッションを推進する上で非常に重要です。


日常生活に取り入れるエシカル消費

日常生活にエシカル消費を取り入れることは、一人ひとりができるサステナブルな行動の一つです。

衣服を長く愛用する:衣服を大切に扱い、長く愛用する
古着を購入する:古着を購入することで、資源の節約と廃棄物削減に貢献
不要な衣服を寄付する:不要な衣服をリサイクルショップやリサイクル団体に寄付
環境や社会に配慮したブランドを選ぶ:サステナブルな取り組みを行っているブランドの衣服を選ぶ
衣服の量を減らす:本当に必要な衣服だけを購入する

具体的には、必要以上の衣服を購入しない、購入する際はサステナブルなブランドや製品を選ぶ、古着の利用を検討するなど、さまざまな方法があります。また、衣服の長持ちを促すために、適切な洗濯方法を学ぶことや、修理して再利用することも重要です。

これらの行動は、消費者一人ひとりの小さな選択が、大きな環境への影響を与えることを意味しています。日々の選択を通じて、サステナブルな世界の実現に貢献しましょう。


サステナブルファッションの最新動向

衣服の回収と再利用

リサイクル技術の進歩:衣服の回収と再利用

従来のファッションでは、大量生産・大量廃棄が当たり前でした。しかし、サステナブルファッションでは、衣服の回収と再利用を促進することで、廃棄物削減を目指しています。

近年リサイクル技術が進歩し、衣服を効率的に回収し、再利用できるようになり、サステナブルファッションの世界で大きな変革をもたらしています。

古着回収ボックスの設置:不要な衣服を回収し、リサイクルやリユースに活用する
古着のリメイク:古くなった衣服を新たな衣服に生まれ変わらせる
繊維の再生:古くなった衣服から繊維を再生し、新たな衣服を作る

特に衣服の回収と再利用に関して、新しい技術が開発され、以前はリサイクルが困難だった素材も再利用可能になりつつあります。例えば、混紡繊維を分解し、新たな衣服へと生まれ変わらせる技術などが挙げられます。

これらの技術進歩により、ファッション産業における廃棄物の削減が期待されており、環境への負担を大幅に軽減することができます。
また、衣服回収の取り組みも世界中で拡大しており、消費者が積極的に古着をリサイクルに出す文化が根付きつつあります。


レンタルサービスの普及:所有から利用へ

従来のファッションでは、衣服を所有することが当たり前でした。しかし、サステナブルファッションでは、衣服を所有するのではなく、利用するサービスが普及しています。このサービスは、消費者が衣服を必要な時に、必要な分だけ借りることができる仕組みです。

【メリット】
衣服の購入量を減らせる:必要な時に必要な衣服だけを借りることができる
さまざまな衣服を試せる:色々な種類の衣服を気軽に試すことができる
衣服の管理が楽になる:クリーニングや保管などの管理をレンタルサービスが行う

特別なイベント用のドレスやビジネスウェアなど、短期間しか使用しない衣服をレンタルすることで、資源の無駄遣いを防ぎ、衣服の寿命を延ばすことができます。また、多様なスタイルを楽しむことができるため、消費者にとっても魅力的な選択肢となっています。

レンタルサービスの普及は、サステナブルな消費行動への意識変革を促しており、ファッション産業の持続可能性に貢献しています。


バイオ素材の開発:環境負荷の少ない素材

従来のファッションでは、石油由来の素材が多く使用されていました。

しかし、サステナブルファッションでは、環境負荷の少ないバイオ素材の開発が進められています
バイオ素材は、植物や微生物などを原料とした素材です。バイオ素材の開発は、サステナブルファッションの最前線に立つ革新的な取り組みです。

【メリット】
環境負荷が少ない:石油由来の素材よりも二酸化炭素排出量が少なく、環境に優しい
再生可能:植物や微生物から作られるため、持続可能な素材
機能性が高い:抗菌・防臭、UVカットなどの機能性を持つ素材

バイオ素材は、植物や微生物から生産されるもので、従来の石油由来の素材に比べて環境負荷が格段に低いことが特徴です。例えば、コーヒーの残渣から作られる繊維や、海藻を原料とした生分解性のプラスチックなどが開発されています。

これらのバイオ素材は、リサイクルが容易であり、使用後の自然環境への影響も最小限に抑えることができます。バイオ素材の普及により、ファッション産業の持続可能性がさらに向上することが期待されています。



サステナブルファッションは、さまざまな新しい取り組みによって進化し続けています。これらの取り組みによって、環境負荷を低減し、持続可能な社会を実現することができます。

私たち一人ひとりがサステナブルファッションを選択することで、より良い未来を創造することができるのです。




環境省:サステナブルファッション



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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に交換留学で訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています。

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。